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「山羊の歌」 中原中也

詩集

一編一編の詩ももちろん好きなのですが、
僕はこの本の詩集としての構成が好きです。


「初期詩篇」「少年時」「みちこ」「秋」「羊の歌」
の五部構成を、その順番でまとまりごとに味わうのが
好きなんですよね。だから、「中原中也詩集」とか
「汚れつちまつた悲しみに・・・」みたいなタイトルで
構成を無視して出版されているものではなく、あくまでも
「山羊の歌」は「山羊の歌」として読みたいのです。
きっと中原中也さんは、そういう意図でこの詩集を
編まれたのではないかと、僕は勝手に思っています。


その点で、日本図書センターから出版されている
「愛蔵版詩集シリーズ」が僕は好きです。
この本も、当時高村光太郎さんの手からなる装丁を
そのまま復刻していますし。
中原中也さんの処女詩集の装丁をを高村光太郎さんが
手がけているというだけでも、この本を持つ手に
重みを感じます。


それに「山羊の歌」って象徴的で素敵な詩集の
タイトルだと思いませんか?
五部構成のラストが「羊の歌」であるのに対して、
なぜあえて詩集としてのタイトルは「山羊の歌」に
したのか? その辺を考えながら読むともう何度
読み返しても足りないくらい、奥深い詩集だと
個人的には思っています。


中原中也さんというとよく「青春」とか「夭折」とか
「孤独」といったキーワードで語られますが、
僕が彼の作品を読むたびに感じることは、
自分の感受性に忠実に向き合った人なんだなと
いうことと、常に「やさしさ」というものに
焦がれていた人だったのではないかということです。


山羊の歌 (愛蔵版詩集シリーズ)

山羊の歌 (愛蔵版詩集シリーズ)