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「月に吠える」 萩原朔太郎

まず、もう書名に持っていかれますよね。
「月に吠える」
って・・・カッコ良すぎます。


とは言え、中身を読むと月に吠えたくなるというよりは、
むしろ囁くような声で音読したくなるような。


そして、あたり一面竹が生えはじめ
その竹林の中で、僕は上半身だけの人間になったような
心細い気持ちになります。


この詩集のもつ寂しさは、見た目、言葉が中央部に
詰まっているところからも受けるんですよね。
左右の余白が多くて、行が真中にぎゅっと詰まっている。
寒がりのひよこの群れのように。


それにしても、詩以外の文章がやたら多い詩集ですよね。
冒頭では北原白秋さんが、最後には室生犀星さんが
言葉を寄せているし、当の萩原朔太郎さんも
作品に入る前に「詩とはこういうものである」みたいな
文章をガンと載せています。


その序文の中で、僕がとても好きな一節があるので
引用させていただきます。


私どもは時々、不具な子供のやうないぢらしい心で、
部屋の暗い片隅にすすり泣きをする。そういふ時、
ぴったりと肩により添ひながら、ふるへる自分の
心臓の上に、やさしい手をおいてくれる乙女がある。
その看護婦の乙女が詩である

月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ)

月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ)