2010-01-01から1年間の記事一覧

2010年の終わりに

2010年も終わろうとしています。 今年も一年ありがとうございました。 個人的には色々なことがあった一年でした。 1月に『コスモス文学』に「曇天」が掲載され、 3月に「富士湯にて」が佳作をいただきました。 4月には『詩とファンタジー』に「夕焼けの種」…

「智恵子抄」 高村光太郎

学生の頃この詩集を初めて読んだときは、 多くの方がそうであるように僕もまた胸を打たれ なんと哀しく美しい抒情詩集だろうと思いました。 ひとりの女性への底抜けの愛を詠いあげた 世界的にもあまり類を見ない希有な一冊であると。 しかし、今はこの詩集(…

「深呼吸の必要」 長田弘

僕は「散文詩」というものがあまり好きではないのですが、 この詩集に限っては何度も繰り返し読んでいます。 特に前半の『あのときかもしれない』のパートが好きで、 これは「きみはいつおとなになったんだろう」という問いかけと、 それに対する八つの解答…

「女に」 谷川俊太郎

右ページに谷川俊太郎さんの詩、 左ページに佐野洋子さんの絵という構成の詩画集です。 これまでに何度も読んできた本ですが、 先日佐野洋子さんがお亡くなりになったことを記事で知り、 改めて読み返した次第です。 この詩集を手にするたび、僕はいつも 「…

「わたしと小鳥とすずと」 金子みすゞ

駅構内やスーパーマーケットの中のような小さな書店では、 店頭に置かれてある詩集はごくわずかなものです。 しかし、そういう書店に置かれてある詩集こそが、 現在最も多くの人に愛されている詩集ということでしょう。 そして、どこの小さな書店でも頻繁に…

「春と修羅」 宮澤賢治

何度読み返しても涙がこみ上げてくる詩。 僕にとってそれは、この詩集に収められている 「永訣の朝」です。 今まさに死にゆかんとしている妹とのやりとり、 そして哀しくも美しい情景は、あまりにもはっきりと 眼前に浮かび上がり、胸に迫ってきます。 実は…

産経新聞「朝の詩」に「行き先」が掲載されました

お知らせというか事後報告になってしまったのですが、 先日7月4日の産経新聞朝刊一面の「朝の詩」のコーナーに 「行き先」という詩が掲載されました。 実は僕自身、掲載されたことを今日まで知りませんで、 お知らせが後になってしまいました。 選者の新川和…

絵葉書 富士湯にて 正しい空

いくつかお知らせ、ご報告など。 第115回コスモス文学新人賞にて「絵葉書」という詩が 入選しました。11月に掲載される予定です。 あと今月号の「コスモス文学」には、以前佳作をいただいた 「富士湯にて」という詩が掲載されます。 それから、作品が載った…

「幻・方法」 吉野弘

昔から大好きな詩集で何度も読み返しています。 この詩集は四部構成で成り立っていて、 前半部(ⅠとⅡ)は、主に労働者の苦悩を描いた と思われる作品が載っています。 この前半部は、正直なところ、読んでいて 息が詰まるような重い気分になります。 縛られ…

「くじけないで」 柴田トヨ

「白寿の詩人」ということで いま大変話題になっていますね。 98歳、柴田トヨさんの処女詩集です。 僕は、自分の作品が載った「詩とファンタジー(春夢号)」で、 たまたま柴田さんの特集が組まれていたことをきっかけに 彼女のことを知りました。 本を買っ…

「まど・みちお全詩集」 まど・みちお

「まど・みちお全詩集」を読みました。 広辞苑かと見紛うほどボリュームのある 800ページに渡る全集です。 読了した今、胸躍る楽しい長旅が終わってしまった ような寂しさと同時に、素晴らしい旅を味わわせて くださったまどさん(と編者の伊藤さん)に 感謝…

「詩とファンタジー」に詩が掲載されました

やなせたかしさんが責任編集されている雑誌 「詩とファンタジー(春夢号)」(かまくら春秋社)に 詩が掲載されました。 4月19日より全国の書店で発売されています。 詩はP32〜P33に植田真さんの素敵なイラストとともに 載っております。 またP2には、やなせ…

詩とファンタジー

お知らせです。 やなせたかしさんが責任編集されている雑誌 「詩とファンタジー」4月19日発売号に 詩が掲載されることになりました。 「詩とファンタジー」は詩やイラストやファンタジー作品など、 やなせさんが選出した作品で構成されている季刊誌です。 イ…

「100歳詩集 逃げの一手」 まど・みちお

昨年まど・みちおさんが100歳になったのを祝して 刊行された詩集です。 (太宰治さんと同じ年に生まれたんですね) 百歳ともなれば、達観した視点や説教めいた 物言いになるのかと思いきや、むしろ逆で まど・みちおさんが世界や自然に向ける視線 というのは…

J.D.サリンジャー氏、逝去

J.D.サリンジャー氏がお亡くなりになりました。 享年91歳。 訃報を知った時は、言いようのない思いが 突きあげてきました。 多くの方がそうであるように、僕もまた十代の頃に 「ライ麦畑でつかまえて」を読んで、稲妻に打たれた ような衝撃を受けたひとりで…

2010年

2010年になりました。 「80年代」「90年代」・・・みたいな括りでいくと、 「00年代」が終わり「10年代」の幕が開けたということでしょうか。 なんか新しい時代が到来したという気がしますね。 ご挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願い致します。 ま…