「ゲーテ詩集」 ゲーテ

学生の頃、高橋健二さんの訳した新潮文庫版を
何度も繰り返し読みました。
こんなに名作の詰まった詩集をたった360円で
読んでしまっていいのだろうか・・・と恐縮しつつ。
(現在は420円みたいですが)


天才と呼ばれるゲーテさんですが、詩は決して難解ではなく、
非常にストレートで親しみやすいです。
女性や自然を賛美した抒情詩が多く、いずれからも
ゲーテさんの純粋さがひしひしと伝わってきます。


特に恋の詩を読むと、ゲーテさんほどの天才であっても
恋の前では感情があふれ出て、情熱的で甘美な思いに
震えるのだなということに、なんだか少しほっとします。


よく文学作品を褒める評として「情に流されない筆致で」
というのを目にしますが、ゲーテさんの詩を読むたびに
僕なんかは、「情に流されることが抒情詩の本分じゃん」
なんて思ってしまうんですよね・・・。


美しいものに触れて、情に流されなかったら
詩なんて書けません。よね?



ゲーテ詩集 (新潮文庫)

ゲーテ詩集 (新潮文庫)