学生の頃、高橋健二さんの訳した新潮文庫版を
何度も繰り返し読みました。
こんなに名作の詰まった詩集をたった360円で
読んでしまっていいのだろうか・・・と恐縮しつつ。
(現在は420円みたいですが)
天才と呼ばれるゲーテさんですが、詩は決して難解ではなく、
非常にストレートで親しみやすいです。
女性や自然を賛美した抒情詩が多く、いずれからも
ゲーテさんの純粋さがひしひしと伝わってきます。
特に恋の詩を読むと、ゲーテさんほどの天才であっても
恋の前では感情があふれ出て、情熱的で甘美な思いに
震えるのだなということに、なんだか少しほっとします。
よく文学作品を褒める評として「情に流されない筆致で」
というのを目にしますが、ゲーテさんの詩を読むたびに
僕なんかは、「情に流されることが抒情詩の本分じゃん」
なんて思ってしまうんですよね・・・。
美しいものに触れて、情に流されなかったら
詩なんて書けません。よね?
- 作者: ゲーテ,高橋健二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/04/27
- メディア: 文庫
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