辻征夫さんは、僕が最も好きな現代詩人のひとりです。
中でもこの詩集は、何度読み返したか分かりません。
どの作品も好きなものばかりですが、読む時期に
よって「特に好きな詩」って変っていくんですよね。
学生の頃は「宿題」と「蟻の涙」にしびれまくって
いました。もちろん有名な「学校」も。
もう少し大人になると、今度は表題作の
「萌えいづる若葉に対峙して」とか「ジョン・ダン風に
晩秋の東京から」がたまらなく好きになりました。
(「ジョン・ダン〜」は、なんかものすごく切ない
詩ですよね)
そして、今では「反ロビンソン」がモウスト・フェイバリット
となっています。この作品のラスト4行。なんて素敵な
表現だろうと・・・。
内容もさることながら、本としての雰囲気や佇まい
もとても好きです。装丁や紙の質やスピンの色なども。
見開きの左ページの左の方に題名だけが書かれてあって、
ページをめくると右ページの頭から詩の一行目が始まる
んですけど、この構成もカッコいいなあと・・・。
現代詩は難解だと思われている方にこそ、ぜひ手にとって
いただきたい詩集です。とても読みやすくて胸に入って
きやすいですよ。あと「抒情詩人はみんな血まみれえ」
と声に出して歌いたくなりますよ。
ところで、どうして僕がここでご紹介する詩集は、
Amazonの表紙の画像が「NO IMAGE」になってしまう
のが多いんでしょうか・・・。
古い本が多いからなのかな?
素敵な装丁なのになあ。
- 作者: 辻征夫
- 出版社/メーカー: 思潮社
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
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