「萌えいづる若葉に対峙して」 辻征夫

辻征夫さんは、僕が最も好きな現代詩人のひとりです。
中でもこの詩集は、何度読み返したか分かりません。


どの作品も好きなものばかりですが、読む時期に
よって「特に好きな詩」って変っていくんですよね。


学生の頃は「宿題」と「蟻の涙」にしびれまくって
いました。もちろん有名な「学校」も。


もう少し大人になると、今度は表題作の
「萌えいづる若葉に対峙して」とか「ジョン・ダン風に
晩秋の東京から」がたまらなく好きになりました。
(「ジョン・ダン〜」は、なんかものすごく切ない
詩ですよね)


そして、今では「反ロビンソン」がモウスト・フェイバリット
となっています。この作品のラスト4行。なんて素敵な
表現だろうと・・・。


内容もさることながら、本としての雰囲気や佇まい
もとても好きです。装丁や紙の質やスピンの色なども。


見開きの左ページの左の方に題名だけが書かれてあって、
ページをめくると右ページの頭から詩の一行目が始まる
んですけど、この構成もカッコいいなあと・・・。


現代詩は難解だと思われている方にこそ、ぜひ手にとって
いただきたい詩集です。とても読みやすくて胸に入って
きやすいですよ。あと「抒情詩人はみんな血まみれえ」
と声に出して歌いたくなりますよ。


ところで、どうして僕がここでご紹介する詩集は、
Amazonの表紙の画像が「NO IMAGE」になってしまう
のが多いんでしょうか・・・。
古い本が多いからなのかな?
素敵な装丁なのになあ。



萌えいづる若葉に対峙して

萌えいづる若葉に対峙して