「かぜのひきかた」 辻征夫

辻征夫さんの詩集をもっと読みたくて探していたら、
絶版になってしまっているのかなかなか手に入らない
ものがあったため、しばらく現代詩文庫の「辻征夫詩集」
を読んでいました。


しかし、読んでいるうちにやはり詩集単位で読みたくなり、
結局インターネットで古書を探して数冊入手しました。
そのうちの一冊がこの「かぜのひきかた」です。


どの詩もわかりやすくシンプルで普段詩を読まれない
方でもとっつきやすいと思います。
やたらと小難しい現代詩が世には溢れていますが、
僕は個人的に辻征夫さんとか石垣りんさんくらいの
わかりやすさが「ちょうどいい」んですよね。


わずか十編で成り立っている詩集で、あっという間に
読み終わってしまいますが、その分何度でも読み返したく
なる一冊です。


個人的には


「ある日」
「手紙」
「まつおかさんの家」
「かぜのひきかた」
「桃の節句に次女に訓示」


が好きです。中でも「まつおかさんの家」は
特にいいですね。
ああ、僕の中にも「まつおかさんち」あるなあ
と思います。
あと最後の「ヘレンおばさんこんにちは」という詩の
イデアは実に面白いです。
こんな書き方あるんだあ・・・とドキっとさせられます。


「全集」というのも便利で助かりますが、やはり
詩集単位で読むといいですね。(お金はかかりますが)
この本はカバーの折り返し方が独特で味があり、
なんとも素敵な佇まいです。
そんな楽しみ方ができるのも詩集ならではですね。


かぜのひきかた

かぜのひきかた